EP35 単独潜入
浅草のビアガーデンで飲んでる時に知り合った元鳶職のおじさんにしつこく飲みに誘われていたので、そいつの家で飲むことになった。
そいつは鳶職を辞め、運送業を立ち上げたらしい。仕事や宗教、マルチ商法の勧誘があるだろうと予想しつつも、起業の話が聞けたら面白そうだろうということで行くことにした。
笹塚へ!
LINEに地図を書かれた画像が送られてきた。地図を見つつ家に向かう。道中、というか最初っから違和感を感じる。
1.わざわざ地図を書いた画像を送ってくるということは、最近仲良くなった俺を呼ぶためじゃなく、過去に俺みたいな新規の人間を家に呼んだことがあること。
2.地図の目印の情報が古く、数年前から人を呼んでいただろうということ。
この時点で突発的な飲み目的でも、起業して人手不足の勧誘ではなく、宗教かマルチ商法の勧誘が濃厚になった。
家イーン!
なぜか女が出てきた。
1:3の不利な状況。昔の俺ならビビっていただろうが今の俺は違う!
俺に求められているのは勝利ではなく圧勝だ!
*この時点でゾフィーはまだ不快な思いをしていません。
ダイニングテーブルに案内され、この間に部屋をサーチする。
部屋の本棚、テーブルに置かれた三冊の本、壁の黒板に書かれた名前の書いた木の絵、不自然に置かれたサプリメント、ヒーリングっぽいBGM…
間違いねえ!!コイツ、アムウェイだ!!
ここで登場人物紹介
リッキー 34歳の元鳶職、独立して運送業を立ち上げた男。今回ゾフィーを招き入れたやつ。腕にタトゥーが入っていて少し怖く見える。
広島 確か36歳くらい。リッキーの彼女で、広島弁が強い女。
よっちゃん 35歳の主婦。見た感じ他の二人とはそんなに親しいわけじゃなさそうな女。
飲みスタート!
女性陣は料理をし、俺とリッキーは先に飲むことになる。このリッキーという男、早い話がバカである。
リッキー「ゾフィー、じゃあ早速だけど会費の2000円ちょうだい」と、秒でパーティー商法のネタバレ。
ま●こに無課金主義であり、どうでもいいやつにも金を払いたくないゾフィー。
ゾフィー「今細かいのないっす」と、金を払わない。PayPayやってる?と追い討ちされるが、やってないと答えた。あるとかないとかじゃない。払いたくないのだ!!
キサマに払う金など一銭もないわ!!
リッキー「このエビの料理美味しいよ」
このバカ、本当に詰めが甘い。事前に俺に嫌いな食べ物を聞き、エビが苦手だと聞いたことを忘れている。
このバカに呆れつつも、元々独立した話を聞いてみたかったので聞いてみる。
ゾフィー「リッキーは運送業を立ち上げたんですよね。社長ってどんなもんすか?」
リッキー「社員が少なくて、俺も運転して運んだりするから現場で働く感じだよ」
ゾフィー「ふーん、運転するってことはアルコールチェッカーでしたっけ?さっき言ってた明日の仕事の時間的に数値大丈夫ですか?」
リッキー「うちの会社はやってないよ」
あれれ?アルコールチェックは義務化されているはず?会社がやってるのかどうか知らないが、酒好きな運転手は、大体の時間と量の目安を知ってるからそれを答えると思うのだが…?
アムウェイのターン
リッキー「ゾフィーは仕事以外で副業とかお金を稼いでるの?」
はいきました!!ここでないと答えると、そこから付け入れられ三人で畳み掛けられる。
ゾフィー「はい、ありますよ。ここでは詳しく言えないけど」と、ここで攻撃を回避!
リッキー「バイナリーとか?」
ゾフィー「違いますよ。ここでペラペラ話す内容じゃないので」と、多くは語らず。
しばらくして女性陣も混ざってきた。
リッキー「最近何か幸せを感じる時ってあった?」
ゾフィー「うーん、どうだろ。広島さんは?」
広島「育ててるバジルが、少しずつ成長してるのを感じる時かな」
ゾフィー「へえ。(バカかコイツ…)リッキーはどう?」
リッキー「俺は自分がやったことで他人が幸せになってる時に幸せを感じるよ!ゾフィーはどう?」
ゾフィー「うーんそうだね。幸せね。詳しくは言えないんだけど、この前、証拠不十分で警察にパクられなかったことかな。」
一同、ドン引きを隠せない。
リッキー「ええ、それは幸せと違うんじゃ…」
ゾフィー「いや、法の知識があったから回避出来たし、自分の成長を感じられて幸せだったよ」
実際はスピード違反をした時に警察が測定出来なかったことを一部抜粋し、大げさに言っただけ。
この辺りから会話の主導権を握ったゾフィー。
ゾフィーのターン
酒がなくなり、このタイミングでバックレようとしていたが、みんなでコンビニで酒を買いに行く流れになった。
こんなわけでワインや強めの酎ハイを買い、家に戻ってリスタート!(会計時に逃げて払わなかった)
リッキー「ゾフィーはすごい自分に自信がありそうだよね。話し方や目線の使い方とか」
ゾフィー「そっすね、自信つけるために色々やってきましたから。例えば運動かな。その飾ってるサプリみたいなのを海外から個人輸入して摂ったりしてますからね」と、後に勧めてくるであろうサプリをこっちからイジる。
こんな感じの緑色の蓋のサプリが部屋に飾ってあった。
俺も俺でイジワルで、相手はアムウェイをやっていると言っているのに、その話をバッサリ流すし、後に勧めるであろうサプリなどの話を先に潰す。
ゾフィーの「ペナルティエリア外からの勧誘は絶対止める」SGGKっぷりのせいで、アムウェイも攻めるに攻めれはない。そんな膠着状態をブチ破る衝撃的な話題が出てきた。なんとよっちゃんは600万円を自己破産していたらしい!!
なぜこの場でその話が出てきたのかさっぱりわからないが、このよっちゃんという女は他の二人と比べてそこまでアムウェイに染まっていない感じがした。
よっちゃん「旦那さんは自己破産した過去を受け止めてくれて結婚してくれたの。それで少しずつパートでその分を貯めて恩返ししたいと思ってるんだ」(よっちゃんはアムウェイと事務のパートの兼業)
リッキー、広島「すごいよ!よっちゃん、それって幸せだよ!旦那さんに負担かけたくないから、パートで稼いだお金で600万円分貯めようとしてるし、アムウェイでみんな幸せになる成功の途中だよ!」
ゾフィー「いやいやいや、綺麗事言ってるけど、アムウェイとパートでチマチマ稼ぐより、バイトなり普通に働けば600万なんて数年で返せる額だろ!もっと現実見た方がいいんじゃねーの?」
リッキー「それは言い過ぎだよ。よっちゃんは努力してる最中…」
ここで俺の熱い想いによっちゃんのサイコフレームが共振した!!
よっちゃん「ゾフィーくん、私もそう思う!アムウェイで幸せとか言ってないで、真面目に働いてたらこんなことになってなかった」
と!まさかのここでよっちゃんが正気に戻る。
ここら辺でプレゼンが台無しになり、1:3が2:2の状況になった。
普通なら俺にアムウェイの勧誘をするため、俺を帰らせないように話を進行するはずが、600万円を自己破産するバカなよっちゃんが21時に帰ると早めに言ってしまったため、ここで俺とよっちゃんはアムウェイのアジトを出ることに。
帰り道
よっちゃん「ゾフィーくんは早い段階でアムウェイだって気付いていたよね。サプリをイジった時に全部知っていて無理だと思ったよ」
ゾフィー「まあね。最後によっちゃんが正気に戻って2:2になったのは面白かったわ!時間あるなら話聞かせてよ!」
てなわけで居酒屋で二次会
ここで今日の話やアムウェイの話を教えてもらった。
そもそもリッキーとはマッチングアプリで知り合っただけで関係は浅いらしく、実際のところちっとも儲かってないし、友達を失った話を聞く。軽く飲んでそのまま解散した。
結果発表
かなり早い段階でアムウェイだと気が付いたので、こちら側から遊ばせてもらった。
リッキーも言っていた。人が幸せになるのが幸せだと。
俺は一人の主婦を更生させ、アムウェイの男女の顔に泥を塗り、会費?食費とコンビニの酒代をバックレてスッキリした。ちなみに夜中に吐いた。
後日
リッキーには次会った時に会費をくれたら良いよと言われていた。二日酔いで起きた後にLINEが入っていて、また飲もうよみたいな内容だった。
よっちゃんからは、そういえば家に来る前のお使い(500円)は払ってもらった?って連絡が来たので、いや、会費も酒代もバックレたからチャラにしてあげたよ!と返信しておいた。するとPayPayやってる?と、まるでお金を返してくれと言わんばかりの連絡が来ていたので、そっとリッキーとよっちゃんをブロックしたのであった。
最後に
俺の行いでリッキーも幸せを感じてもらって嬉しい。
もし直接伝えられるならこう言いたい…
本業だけでなく、副業でお金を稼ぐことは別に良いが、アムウェイの気に入らないとこは
1.なんで俺がお前の下だよ!教祖からスタートさせろ!!
2.在庫抱えてマイナススタートの意味がわからん。信用取引で物売ってから買わせろよ!
3.勧誘がウザい
などなど。真面目に考えたが、アムウェイで儲けるなら、幹部を抹殺し名義を自分に変えることだと思う。
また何か面白いことが有れば記事にするのでよろしく!!
それではまた会おう!!